理事長ご挨拶
一般社団法人LCA推進機構(LCAF)は、LCAの社会への普及と、LCAの実施の支援を目的に設立されました。
私は、1993年にISO/TC207が設立され、LCAの国際標準化の作業が始まって以来、LCAの手法開発及びその実践に係わってきました。1995年のLCA日本フォーラムの設立、1998年から8年に及ぶ第1期及び第2期LCAプロジェクト、2009年から3年間のカーボンフットプリント(LFP)試行事業などの政府の事業に係わり、並びに、2001年に産業技術総合研究所LCA研究センターが設立された際に7年間センター長を務めたことが、その節目になっています。
1997年にISO14040が発行されるまでは、LCAの実施方法も定まっておらず、欧米を中心にLCAの研究者が様々な手法を提案している状況でした。それらをフォローし、現在はIDEAとして知られるLCAデータベースとソフトウエア(現在はMilcaとなっています)の初期バージョンを作り、また、環境影響評価手法(LIME)の開発に携わってきました。
これらの経験を活かし、LCAFでは、LCAを社会に普及するためのLCAの教科書の発行とそれを用いた研修の実施等の教育、並びに企業や団体のLCAの実施の技術的支援及びLCA報告書の検証などの事業を行います。 LCAFの活動が持続可能な地球を作る礎の一つになることを願っています。
2021年1月 LCAF 設立1周年に際して
LCAF理事長 稲葉 敦
事業目的
1993年にISO/TC207(環境マネジメント)が始まってから既に30年になろうとしています。ライフサイクルアセスメント(LCA)は、PDCAサイクルで名高いISO14001と共にTC207の仲間です。LCAは製品の環境側面を評価する方法として始まりましたが、この約30年の間に、タイプIII環境ラベル、カーボンフットプリント(CFP)、SCOPE3、環境フットプリント、持続可能な消費と生産、削減貢献量評価など、製品だけでなく企業や自治体などの組織の評価、並びに、温室効果ガス(GHG)の排出量の算定だけでなく、様々な排出物や資源の消費による環境への影響を評価する方法に発展しています。
最近では、SDGsへの貢献の評価、ESGやTCFDのための情報開示など、LCAとその基礎であるライフサイクルシンキング(ライフサイクル思考)の重要性はますます大きくなってきました。
団体概要
法人名 | 一般社団法人日本LCA推進機構 |
Japan Life Cycle Assessment Facilitation Centre LCAF | |
設立日 | 2020年1月8日 設立 |
理事長 | 稲葉 敦 |
事務所 | 〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目36番7号アルテール池袋608号室 |
LCAFは、LCAの研究と実施を経験して来た世代の知見を活かし、これから新たな社会を作る世代との架け橋になる事業を展開します。
組織図
役員
理事長 | 稲葉 敦 | |
理事 | 田中 浩二 | e.s.feed株式会社 代表取締役 |
津田 祥子 | 株式会社シーエーティ 相談役 | |
監事 | 須田 茂 | 一般社団法人 産業環境管理協会 参与 |
名誉顧問 | 安井 至 | 東京大学名誉教授・資源エネルギー庁原子力小委員会委員長 |
山本 良一 | 東京大学名誉教授・LCA日本フォーラム会長 | |
魚住 隆太 | 魚住サステナビリティ研究所 代表 | |
黒岩 進 | 一般社団法人 産業環境管理協会 専務理事 | |
水野 建樹 | 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 名誉リサーチャー | |
運営理事会委員 | 伊坪 徳宏 | 早稲田大学 理工学術院 創造理工学部環境資源工学科 教授 |
玄地 裕 | 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 安全科学研究部門 副研究部門長 | |
田原 聖隆 | 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 安全科学研究部門 IDEAラボ長 | |
成田 暢彦 | 元 名古屋産業大学 環境情報ビジネス学部 教授 |
事務所・アクセス
一般社団法人日本LCA推進機構
Japan Life Cycle Assessment Facilitation Centre
LCAF (エルカフ)
事務所:〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目36番7号 アルテール池袋 608号室
ご案内図(PDF)
理事長 稲葉 敦について
◆ 現職:
・ 日本LCA学会 賛助会員
・ LCA日本フォーラム 会員(現会長)
・ 産業技術総合研究所 LCA活用推進コンソーシアム 会員(現会長)
・ グリーン購入ネットワーク(GPN) 会員 (アドバイザー)
・ 日本LCA学会「環境負荷削減貢献量評価手法研究会」
・ LCA日本フォーラム「LIME3研究会」、「削減貢献量研究会」、 [NETs研究会」
・ ISO/TC207/SC5の国内審議委員会 委員長
・ 環境省 水素プロジェクト 協力
・ NEDO LCAガイドライン作成事業 / ムーンショット事業 サブプログラムディレクター
◆ 略歴:
静岡県生まれ、東京大学工学部化学工学科卒業-
東京大学大学院博士課程修了(工学博士)
1981/04- 通商産業省工業技術院公害資源研究所
1984/05-1986/03 米国商務省標準局火災研究所客員研究員
1990/12-1992/04 国際応用システム研究所(オーストリア)客員研究員
2001/04-2008/03 独立行政法人産業技術総合研究所 ライフサイクルアセスメント研究センター長
2005/12-2009/03 東京大学人工物工学研究センター教授
2008/04-2009/03 独立行政法人産業技術総合研究所 安全科学研究部門副部門長
2009/04-2020/03 工学院大学先進工学部環境化学科教授
◆委員会:
ISO/TC207/SC5エキスパート及び国内委員会委員長
ISO14040/14044:2006発行共同議長
IPCC第5次報告書WG3第12章リードオーサー
日本工業標準調査会標準部長 等を歴任
◆著書
2023/06 基礎から学ぶLCA~LCAの実施と活用~ : 一般社団法人日本LCA推進機構
2018/08 LIME3-グローバルスケールのLCAを 実現する環境影響評価手法(編著): 丸善出版株式会社
2018/04 改訂版 演習で学ぶLCA(編著): 株式会社 シーエーティ